- accumulation of knowledge - ??? FORD SIERRAMADE IN ARGENTINA
こ れまで当方が集めてきた、どのアルゼンチン・ブランドにも当てはまらないモデル。
とりあえず、サイドのシルエットから、フォード・シェラではないかと仮説を立てて、google検索してみたものの、結果は空振り。「argentina ford sierra diecast」、そして「industria argentina ford sierra diecast」をキーに検索してみても、このひしゃげたモデルは見当たらない。引っかかるのは他国のシェラと、せいぜいBUBY版ぐらい。
そこで、あらためて、ノスタルPCさんのサイトをあたってみることにした。
【BUBYのフォード・シェラ】 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ トミカやマテルの新製品情報よりも、各国のミニカー事情のほうに興味あるという同志諸兄なら必ずやご存知であろう「ノスタルジック・パトロールカー」。
http://2nd.geocities.jp/nostalgicpc/ まことに残念ながら、ノスタルPCさんは昨年お亡くなりになったけれども、奥様のご厚情、そして同志ねこざかなさんのご尽力により、主だったページは今でも閲覧可能だ(多謝)。
同サイトの中でも、第三世界的観点から特に注目すべきコンテンツが、「
アルゼンチンとブラジルの小スケールミニカー 」。
目ざとく珍品ばかり漁り続けているようなディレッタントに面白おかしく紹介されているだけの南米のミニカーについて、社会的背景の考察から各ブランドの歴史、そしてモデルのバリエーションまで、膨大な知が集積している。
画像:「ノスタルジック・パトロールカー」より引用 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ひょっとしたら黄色いシェラ(仮)はGALGOのチープシックなシリーズかもと考えて、あらためてノスタルPCさんの解説に目を通してみたけども、結果としてふたたび空振り。
アメリカ製品の影響が大きいMUKYはもちろんのこと、BUBYにもAGUTIにも、そして、淡い期待のあったGALGOにも、かくもひしゃげた形状のモデル群はなさそうだった。
【GALGOのMATRA SIMCA】 ただ、同サイトの、ある記述が目に留まった……。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ”その他のアルゼンチン製ブランド”。
ノスタルPCさんは、自身もフォローしていないアルゼンチン・ブランドを、Kimmo Sahakangas氏らによる『
Encyclopedia of Small-Scale DiecastMotor Vehicle Manufactures 』の記載内容を引用して、次のように解説されていた。
-RENO: F2レーサーやスポーツカーの、シンプルかつ愛らしいモデルを製作。 「ジョン・プレイヤーズ・スペシャル」をはじめとするF2レーサー/フィアット・リトモ/ルノー・サンク/フォード・シェラ などのモデルがあるようです。※ 赤文字化は当方
RENOというブランドにシェラがある!?
小躍りしながら、argentina ford sierra diecast reno で検索してみたものの……それでも引っかかってこない。
なんてこったい。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 気を取り直して、手元にある『Encyclopedia of Small-Scale DiecastMotor Vehicle Manufactures』を開いて、RENOの項を見ると、たしかにシェラについて言及があり、さらに参考情報が示されていた。
"see also Renno"
そう、アルゼンチンには、RENO に加えて RENNOというブランドが別途あり、両者は同じと見てよいそうな。
(製造者が同じなのか?)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ そこで、argentina ford sierra renno で検索してみて……ようやくたどり着いたのが、アルゼンチンのオークション・サイトの出品物だ。パケ付きで、Rennoというブランド・ロゴも入っている。シェラの存在も同オークションで確認できた。
スペイン語だし、ebayのようなグローバル規模のオークションではないので、地球の反対側ではなかなか気がつかない。
もちろん、RENNOというブランド名が最初から頭に入っていれば、もっと早く答えにたどり着いたのだろうけども、さすがにそれはムリ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ RENNO FORD SIERRAMADE IN ARGENTINA
なんとか正体がわかったものの、ノスタルPCさんの偉功たる「ノスタルジック・パトロールカー」、そして『Encyclopedia of Small-Scale DiecastMotor Vehicle Manufactures』という知の集積がなければ、到底たどり着かなかったと断言できる。(再び多謝)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 最後に、この場でも、
あらためてノスタルPCさんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
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